清水研セミナー

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2010/6/11 (Fr) 13:30-14:30, room 129 of  Building 16 (ground floor), Komaba campus, the University of Tokyo.

Lecturer

礒部雅晴氏(名古屋工業大学創成シミュレーション工学専攻)

Title

重力下粉体気体系の重心運動についての新しい現象論と揺動散逸関係の破れ

Abstract

粉 体の流動状態は、対流や表面波、偏析などの様々な現象が生じることが知られており、多くの実験的、理論的研究がなされている.一方で、このような流動化し た粉体の重心などの巨視的物理量と、粒子数、反発係数、重力加速度、外部駆動の大きさなどのパラメータとの関係を明らかにすることができれば、普遍的な統 計則として広範な応用が期待できるため重要な問題である。最近我々は、粉体気体系の非平衡定常状態の重心の高さに着目し、従来の方法論よりさらに巨視的な レベルで記述するランジュバンタイプの新しい現象論的アプローチを提案した。この理論では、巨視的物理量や重心高さのパワースペクトルを容易に計算するこ とができる。イベントドリブン型分子動力学シミュレーションと直接の比較に基づいて、ランジュバン方程式におけるランダム力の強度と摩擦係数の関係を与え る(第二種)揺動散逸関係の破れについての議論を行った。

[1] J. Wakou, A. Ochiai, and M. Isobe, J. Phys. Soc. Jpn., 77,034402,(2008).

[2] J. Wakou and M. Isobe, AIP Conf. Proc., 1227, pp.135-148, (2010).

2010/3/08 (Mo) 15:00-16:00, at room 410 of  Building 16, Komaba campus, the University of Tokyo.

Lecturer

弓削達郎氏(東北大学国際高等研)

Title

電気伝導の非平衡熱力学試論

Abstract

 電気伝導系において非平衡定常状態の熱力学を構築する 試みについて話す。
 熱浴に接している電気伝導体に一定の外部電圧がかかっていて、非平衡定常状態にある状況を考える。熱浴はある温度の平衡状態にあると見なせるとし、この 温度と外部電圧の値を指定すれば、伝導体において一意に安定な定常状態が定まるとする。このとき、熱浴の温度や外部電圧の値を変化させる操作を考え、それ に対するマクロな物理量の線形応答関係式を用いて、熱力学を構成する。特に、熱浴の温度を一定に保ったまま電圧の値を変化させる「等温操作」と、伝導体が 過剰熱を受け取らない「断過剰熱操作」を考える。
 試論なので、うまくいっている部分とそうでない部分について正直に話します。ツッコミを歓迎します。

2008/12/04 (Th) 15:00-16:00 room 227B of  Building 16, Komaba campus, the University of Tokyo.

Lecturer

渡辺宙志氏(東京大学情報基盤センター)

Title

定温ダイナミクスとリュービル演算子の非エルミート性

Abstract

  解析力学で指定される運動に温度を導入しようとすると、そもそも温度と運動を結びつける原理が無いという事実に直面する。定常分布としてカノニカル分布を 維持することを要請すると、その時間発展を表すリュービル演算子は必ず非エルミートとなり、温度は非可換成分の振幅として現れることがわかる。このような リュービル演算子を変分原理で決めることはできないが、発見法的に構築した例としてNose-Hoover法に代表される拡張系の方法が挙げられる。
 一方、微視的なハミルトンダイナミクスから温度を抽出する手法としては森らによる射影演算子の方法が一般的な枠組みを与える。この枠組みでは森方程式か らLangevin方程式に帰着する過程で、マルコフ近似により時間反転対称性が陽に破られている。
 本発表ではその二つの温度の導入法の違いについて比較し、温度とダイナミクスのあり方、およびそれらがリュービル演算子の性質にどのように現れるかにつ いて議論する。

2008/10/02 (Th) 15:00-16:00 room 227B of  Building 16, Komaba campus, the University of Tokyo.

Lecturer

Dr. Masahiro Hotta (Tohoku Univ.)

Title

量子エネルギーテレポーテーション

Abstract

量 子もつれは様々な方法で生成することができるが、近年スピン鎖系の基底状態がもつ量子もつれの有用性が指摘されている。例えばこの量子もつれを用いて近距 離の量子状態輸送も可能である。これに対しては量子計算機内部での装置間の状態移送などへの応用が期待されている。また多体系の基底状態や励起状態の量子 もつれの性質から、それらの状態の新たな物理的性質を抜き出すという新側面も注目されている。この発表ではスピン鎖基底状態の量子もつれを用いて、因果律 や局所的エネルギー保存則を壊すことなく、LOCC(局所的操作及び古典通信)のみでエネルギーを転送できるプロトコルを提案する。多くのスピン鎖基底状 態を共有するAとBを考える。それぞれのスピン鎖に対して、Aが基底状態にエネルギーを注入しながら自分の量子ビットに局所的量子測定を行ってその測定結 果を得る。AはBにその古典的測定結果を古典通信路で相手に知らせ、Bはその結果に依存した局所的量子操作を自分の量子ビットに作用させる。この過程にお いてBはスピン鎖系からエネルギーを集団平均の意味で取り出すことができる。励起した物理的媒体を直接送ることなく、古典情報のみを伝達することで局所的 基底状態のスピン鎖からエネルギーを取り出せるために、この輸送過程では熱の発生を抑制することができる。このような特性からナノマシン等のパワー源への 応用も期待される。
文献:  M.Hotta, arXiv:0803.0348、M.Hotta, Phys.Lett.A372(2008)5671, M.Hotta, Phys.Rev.D78(2008)0450006.

2008/03/27 (Th) 13:20-17:40 room 227B of  Building 16, Komaba campus, the University of Tokyo.

Lecturer

T. Brandes (Technical University in Berlin), A. Shimizu, T. Yuge, M. Morimae, K. Kokubun, N. Kobayashi

Title

A mini workshop with Prof. Brandes

Abstract

Talks and discussions (with lunch and dinner!) on recent reseach subjects of Brandes Lab. and Shimizu Lab.

2007/02/15 (Th) 14:00-16:00ぐらい  16号館817室 (いつもと曜日・時間・場所が違います.)

Lecturer

Dr. Neill Lambert (清水研、学振外国人特別研究員)

itle

Quantum Information Tasks with Circuit QED and NEM systems

Abstract

We give a brief introdution to the concepts of circuit quantum
electrodynamics and the related field of Nano-electromechanical systems,
with a focus on theoretical models.  We give examples of several quantum
information tasks that these devices can be used for, and propose several
new directions for study, including the creation of squeezed states,
correllated electron-boson noise measurement, and possible bell
inequality violations.

2006/9/20 (Wed) 10:15-16:00ぐらい  16号館129室 (いつもと曜日・時間・場所が違います.)

Lecturer

大野克嗣氏(イリノイ大学)

Title

平衡統計力学再入門の試み

Abstract

http://www.rinst.orgに再入門の試み(日本語版の方Second Introduction to
Statistical Mechanics, Japanese version (updated Aug 28, 2006))を一応
掲載していますが、その特に既存の教科書と変わったところ、危なそうなとこ
ろを白日の下にさらけ出し、(redeemableならば)あわよくば皆様のご協力を得
て誤りをなくそうという虫のいいタウンミーティング。

2006/7/10(Mon) 13:30-16:00 227-B室

Lecturer

松崎雄一郎

Title

Analyzing entanglement in a one way quantum computer

Abstract

量子計算が古典計算よりも早い理由はエンタングルメントの利用が関係していると言われている。そ のため、量子計算が早い理由を知るために、「どのようなエンタングルメント」が「計算のどのステップ」で現れているのかを定量的に分析する必要がある。本 研究では特にone-way quantum computation と呼ばれるmeasurement-based の量子計算に着目し、Groverのアルゴリズムを実行した際に現れるエンタングルメントを評価した。その結果、計算途中のあるステップに、(@)局所測 定に対して不安定であり、(A)巨視的に異なった状態の重ね合わせを持つ、Anomalous な量子状態が現れることを確認した。

2006/4/13(moku) 14:00- 3号館119室

Lecturer

森前智行

Title

量子測定のモデル

Abstract

スピン1/2の粒子のスピンを測定する量子測定のモデル を考える。 つまり、被測定粒子と測定器が時刻0で相互作用をはじめ、被測定粒子+測定器 の全系をユニタリ時間発展させ、しばらくたってから射影測定を行う。 スピン1/2粒子の量子測定のモデルは有名なColeman-Heppモデル等 いろいろ考えられているが、次の2点が不満である。まず、測定器を 構成している粒子間の間の相互作用を考えていない。それは不自然なことであるし、 さらに、被測定粒子と測定器の一部(プローブ)が相互作用し、プローブに読み取られた 情報が測定器の粒子たちによる相互作用で増幅されていく様子が記述できない。 そこで、我々は測定器を構成する粒子の間に相互作用をいれた。 次に、測定器はマクロに異なる”メーターの位置”の重ね合わせがその混合と区別 できなくなるためには、多自由度系であることが重要であるが、多くの場合、 計算を簡単にするためにその多自由度系を少数自由度系に近似してしまう。 それは、測定器の温度がそんなに低くない場合には、不自然である。 我々はそのような近似を行わず、多自由度系のままで考えた。 このモデルを用いて増幅効率、測定誤差、被測定粒子と測定器のあいだの エンタングルメントを計算した。 さらに、全系がマクロに異なる状態の重ね合わせになっていく様子も調べた。

2006/2/10(Fri) 13:30-15:00 16号館107室

Lecturer

Dr Neill Lambert

Title

Critical entanglement (and other stories)

Abstract

We discuss the behaviour of entanglement around the phase transition in the single-mode Dicke model. We use several entanglement measures and analytical results to ellucidate the role of entanglement in criticality. We illustrate in detail the analytical techniques used in calculating the von-Neumann entropy, and outline the methods used for other measures.

References: PRL 92, 073602, PRA 71, 053804, PRA 71 062302

If time allows we will also briefly discuss a seperate but related transport project.

2005/12/22(Thu) 13:30-16:00 16号館410室 (曜日と場所が違います.)

Lecturer

國分直明

Title

Syndrome Measurement とトンネル効果

Abstract

2準位系のトンネル効果について量子回路を用いて考えた ことを発表予定.
複数の2準位系のトンネル効果を,環境からのエラーと syndrome mesurement の存在によりトンネル確率がどう変化するかを見る予定.

2005/10/20(Thu) 15:00- 16号館8階827室 (いつもと曜日も日時も場所も違います!)

Lecturer

小芦雅斗(阪大基礎工学研究科)

Title

量子暗号の無条件安全性と不確定性関係

Abstract

非可換な2つの物理量の値が両方とも定まっているような量子状態は存在せず、その不確定性は不確 定性関係という
トレードオフによって縛られている。この性質をうまく使うと、量子鍵配送の無条件安全性、すなわち、盗聴者がどんな
どんなに複雑な盗聴法を用いても、秘密鍵の内容が漏れないことを証明できる。この方法は、エンタングルメント抽出が
できないケースにも適用できるため、従来の証明法と比較することで、秘密鍵の生成とエンタングルメントの抽出という
2つのタスクの微妙な違いが浮かび上がってくる。

2005/9/30(Fri) 13:30- 16号館227B室

Lecturer

弓削 達郎

Title

非平衡電気伝導系に関する数値シミュレーション

Abstract

非平衡電気伝導系の性質を探るために、確率境界条件付きの力学系をモデル に用いた数値実験を行っている。 今回は、春の学会以降の進展について報告する。具体的には、
・電子の速度分布
・ノイズの測定(ランジュバン記述の可能性)
について話す予定。

2005/9/16(Fri) 13:30- 16号館227B室

Lecturer

森前智行

Title

磁性体におけるマクロエンタングルメント/マクロエンタ ングルメントの可視化

Abstract

1.磁性体におけるマクロエンタングルメント: 様々な磁性体モデルの厳密基底状態、低エネルギー固有状態、 低温の熱平衡状態におけるマクロエンタングルメントを調べた 結果を報告する。 2.マクロエンタングルメントの可視化: マクロエンタングルメントを可視化するのに有用な「準同時確率分布」 を導入し、それを用いて、XYモデル、Groverの検索アルゴリズム、Shor の素因数分解アルゴリズムに現われるマクロエンタングルメントを可視 化する。

2005/7/29(Fri) 13:30-16:30 16号館227B室

Lecturer

國分直明

Title

Fault-Tolerant Recovery and Quantum Gates

Abstract

エラーの伝播に注意してエラー の訂正を行う fault-tolerant recovery について発表する.fault-tolerant quantum gates についても発表予定.

2005/7/15(Fri) 13:30-16:30 16号館227B室

Lecturer

國分直明

Title

Quantum Error Correction

Abstract

環境の影響でキュービットにはエラーが起きる. それを防ぐために Steane's code を用いたエラー訂正と,エラーの伝播に注意してエラー の訂正を行う fault-tolerant recovery について発表する.

2005/7/8(Fri) 13:30-16:30 16号館227B室

Lecturer

松崎雄一郎

Title

A One-Way Quantum Computer

Abstract

従来,量子計算においては,準備した状態に対しユニタリー発展を行っていき, 最後に測定を行うことで計算結果が得られるとされている。 しかし,近年提唱されたOne-Way Quantum Computer によると, 準備した状態(クラスターステイト)に対し,非ユニタリーな発展である 測定のみを繰り返すことにより,計算結果を得ることができる。 本講演ではこのMeasurement-base の量子計算機を紹介し,従来のスキームとの比較を行う。

 

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