試験について

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物理学では、小さな理解を積みあげていくと、あるところで急にそれらがつながって視界が開けはじめます。ですから、そうなるところまで努力しないと、ほとんど成果は出ません。つまり、グ ラフにすると


のようになります。そのため、試験の成績も、「0点か100点か」になりやすいです。これが、暗記中心の科目との、大きな違いです。

点数分布がガウス分布になるように、無理に補正することはしません。物理学では、両極端に 別れるのが自然だからです。

よく勉強する学生さんもたくさんいますが、ほとんど勉強しない(したとしても、シケプリや過去問をちょっと勉強するだけの)学生さんも大勢います。それをこのグラフに当てはめれば分かるように、試験問題は前者の人には易しい問題ですが、後者の人にはチンプンカンプンで。だから、成績は、優と不可の人だけで、全体の6〜7割にも達することも少なくないです。

だから、「成績は可でいいから軽く勉強しておこう」とい う程度の努力で試験を受けたら、間違いなく不可になります。可が欲しかったら、80点ぐらいをとるつもりで勉強する必要があります。特に、単位が取れないと進学できない人は気をつけてください

ところで、よく、「暗記さえすれば解けるような問題を出すな」とか「暗記が間に合わなかったので解けない」などと言う学生さんがいますが、確かに私の試験問題は易しいし、出題範囲も明示しているので、教科書を丸暗記すれば、ある程度は解けるかもしれません。ただし、丸暗記しても満点は無理でしょう。どの部分を当てはめればいいか分からないでしょうから。一方、暗記なんかしなくても、ちゃんと理解してさえいれば、容易に満点がとれます。私の教科書は二百ページ以上の厚さがありますが、それは、理解しやすいように説明を詳しくしているから厚くなったのです。そういう教科書ですから、
  丸暗記するのに要する時間 >> 理解するのに要する時間
ですし、後に役立つかどうかも、
  丸暗記=全く役に立たない << 理解する=直接的にも間接的にも、知識の上でも論理的思考の訓練にも、大きく役に立つ
です。

つまり、試験に合格するための選択肢は2つです:
A. 丸暗記という、時間ばかりかかって試験にしか役に立たないような無駄なことをして、試験で可または良をとる。
B. ちゃんと理解して、試験で優をとり、将来的にも血となり肉となる。しかも、丸暗記よりもずっと短時間ですむ。
どちらを選ぶかは、あなた次第です