「他の人の書いた本の記述についての質問は講義ノートと直接関係すること以外は答えない」

という理由を書いておきます。

(これは、教官からみるとあたりまえのことなのですが、学生さんからみると当然でもないらしく、
「この本のここについて教えてください」という質問が多いので、説明しておきます。)

ものすごい数の本が世の中にあふれているので、その大部分は、僕は読んだことがありません。読んだことのない本について、その一部分だけ提示されても、以下のような理由で、正確な事を言うのは不可能なのです。

1.要約が正確とは限らない。
「…のように書いてありますが」という形で質問をされる学生さんが多いのですが、肝心の「…」の部分が、正確な引用ではなく、質問者の要約である ことが多いです。しかし、質問するということは、その部分について質問者はまだ理解できていないわけで、理解できていない人が要約したら、不正確になる可 能性が高いですよね?

2.本の一部分だけ読んでも、正確なことは解らない。
たとえ、質問部分について、本の文章をそっくりそのままメールしてくれても、実は、まだ不足です。そもそも、話の流れというのがありますし、時には、そのずーっと前のページに、「以後、○○については△△だとする」と書いてあったりするからです。

3.「じゃあ、この本を全部読んで返事してくれ」というのも、明らかに無茶な要求です。

4.そこで適当に推測して返答したとすると、その推測がたまたま当たっていればいいのですが、はずれていたときに、質問者が正しい理解に達するのを阻害するだけです。

と整理してみれば、その本の著者に質問するか、その本をじっくり読んだことのある人を捜し出して質問するしかないことが、よく解ってもらえると思います。お互い、無駄なことはやめましょうね。