量
子論の基礎〜その本質の
やさしい理解のために
(サイエンス社 臨時別冊・数理科学 SGSライブラリ 2003年3月刊)
Low-Dimensional Systems ---
Interactions and
Transport Properties
(ed. T. Brandes, Springer, 2000)
Chap 1.
Nonequilibrium
Mesoscopic Conductors Driven by Reservoirs
(with Hiroaki Kato)
Mesoscopic Physics and
Electronics
(T. Ando et al. eds., Springer, 1998)
section 4.2:
Theory of
Electron-Photon Interaction
光と物質の量子相互作用ハンドブック
(荒川泰彦編, エヌ・ティー・エス, 2023)
第1編 第1章「量子力学の基礎」
アインシュタインと21世紀の
物理学
(日本物理学会編, 日本評論社2005)
第7章「EPRパラドックス
からベルの不等式へ」
物理学のすすめ
(塚田 捷 編、21世紀学問のすすめシリーズ、筑摩書房、1997)
第VI章「光で探る量子論の
不思議」
量子の時代
(菊池誠 編,三田出版会,1996)
第1部「新しい扉
を開く量子力学の世界」
(菊池 誠さん・餌取 章男さんと共著)
メゾスコピック現象の基礎
(難波 進 編、オーム社, 1994)
「電子波干渉デバ
イスの可能性と課題」
(野毛 宏さん、榊 裕之さんと共著)
超高速光スイッチング技術
(神谷 武志・荒川 泰彦 編, 培風館, 1993)
第2章「量子効果
と光スイッチング」
極限光技術
(森村正直・大津元一・榊裕之・宅間宏・神谷武志編, オプトロニクス社, 1993)
第1.3節
「スクイーズド光」
(平野 琢也さんと共著)
東大教師が新入生にすすめる本2
(文藝春秋編、共著、2009)
pp.120-123
蛍雪時代4月臨時増刊
全国大学 学部・学科案内号
(旺文社、毎年4月発売: 2022年度版からは柳澤美穂先生にバトンタッチしました)
物理学の紹介の項
目「何を学ぶか」
「統計力学の基礎」の執筆が終われば、僕が考える物理 の3つの主柱(量子論、熱 力学、統計力学)の基礎をきちんと解説した本が揃います。(相対論も主柱に入れるべきかもしれませんが、相対論は既に良い本がたくさんある し、著者としてぼくよりも相応しい人が大勢いるので書きません。)続いて、
·
線形非平衡熱統計物理学の基礎(4年生〜大学院向け):総合文化研究科相関基礎科学系の大学院修士課程のコア
科目の講義ノートの内容を改良・加筆したものです。
·
線形非平衡熱統計物理学の光と影(仮題:大学院〜プロ向け):極限の順序の問題、(量子系の)カノニカル相関
は平衡揺らぎ
なのか?、非力学的力に対する応答の困難、平衡状態の拡散係数と非平衡状態の拡散係数の違い、線形応答理論の適用条件の問題、一見同じように見える様々な
線形応答理論の結果は等価なのか?(全然同じじゃありませんぜ)、無限体積極限の必要性と有限系の応答係数をどうやって計算するか?縦電場に対する応答と
横電場に対する応
答の違い、線形応答係数の測定・計算
における境界条件の影響(すでに線形の範囲で大きく効くのだ)、など
などを論ずる。
· 量子論の発展(4年生〜大学院以上向け):拙著「量子論の基礎」の 続編です。普通の量子論の教科書ではあまりきちんと解説されていないような内容を中心に書く予定です。その代わり、角運動量の理論とか摂動論などの、どの 教科書にも書いてあるような内容はカットします。そういうことは他の本で学んであることを前提にします。(「量子論の基礎」を読んだ後に何を勉強すればよいかは、「量子論の基礎」の終わりの方にある「さらに 学びたい人のための指針」に書いてあります。)
· 「量子論の基礎」の英語版:論文のrefereeをやったり、自分の 論文に対する referee report を見るたびに、「量子論の基礎」の英語版があればなぁとつくづく思います。ただ、上記の3冊の出版とどちらを先にやるべきか悩ましい…(しみずが2人欲し い…会いたくないけど)。
電磁気学の基礎: 通常、「電磁気学」という名の教科書には、「真空中の電磁気学」と「物質中の電磁気学」という2種類の理論が記述されている。素粒子や原子核系の物理学者 が書いた本は、真空中の理論はよいのだが、物質中の理論が、おせじにも良いとはいえない。はっきり言うと、ダメである。(起電力や磁性体の記述を見るたび に、ため息がでる)。それは当然で、「物質中の電磁気学」は、物性理論と(非平衡)統計力学を核にした理論だから、素粒子や原子核系の物理学者に書けるわ けがないのである。では、物性物理学者や、非平衡統計力学の専門家が書いた本ならいいかというと、そうでもなく、真空中の理論の記述が中途半端だったり、 妙に妥協した記述になっていたりする(たとえば、マクスウェル方程式が最後に出てきて、それ以上はこの方程式を掘り下げないとか)。例外はランダウの「場 の古典論」と「連続媒質中の電磁気学」だが、あれ(特に後者)は難しすぎる。それで、僕が電磁気学 の講義をするときは、真空中の理論をマクスウェル方程式から出発してきちんとやった後で、物質中の理論をきちんとやる、というようにしている。これが意外 と好評で、物理工学科の先生に「妙に電磁気がよくわかっている学生がいるので誰に電磁気を習ったかきいたら、清水さんに習ったと言っていた」と言われた り、電子工学科の先生に「学生のときに清水先生に電磁気学を習い、そのノートを今でも使ってますよ」と言われたり、大学院の学生に「先生の講義ノートを見 せてもらって、はじめて電磁気学がわかった」と言われたりしている。また、物理学科以外の学科では、学生だけでなく、ときには教員さえも、電磁気学になや むことがあると聞いたことがある。だから、講義ノートを本にして出版した方がいいような気がしてきた…。でも、めんどくさいな。書籍となる と、図も手書きじゃだめだろうし、練習問題とかも作らないといけないし…。
あと、おまけですが…
· ワクワクするような物語の中で、自分で考えることの大切さを判ってもらえるような小説:構想中です。
· 楽しくてスカッとするSF小説:単に、書いてみたい、というだけでして…。