詳しくは以下の紹介資料をご覧ください:
(学生さんは、まず、ここを読んで、物理学の全体像を把握した方が良いと思いま す)
物理学には,標準的な分類の仕方があります.それは,まず大分野として○○物理学というのをいくつか置き, さらにそれぞれの中を,△△物質とか□□現象とか××効果に中分類・小分類するものです.
実験家の場合は,実験装置の制約があるので, ほとんどの人がこの分類のどこかに自分の研究をあてはめることができるようです. (たとえ,ひとつだけではぴったりでなくても,2,3個選べば, ほぼカバーできる.)ところが,理論家の中には,上記のような標準的な分類には, うまくあてはまらない人が一定の割合(全体の数〜10%程度?)でいます.これは,次のような理由によります.
例えば,非平衡状態で量子効果がどのように効いてくるのかに興味を持っている理論家がいたとします. そうすると,考察の対象としては,特定の物質や物理系に限定する必然性は全然ないわけです.たとえば,一般に,パラメーターが時間に依存する場の理論で は,真空から粒子が放出されますが,それを物質中で考察すれば,パラメトリック蛍光になり,真空中で考察すれば動的カシミール効果になり,ブラックホール を考察すればホーキング放射(ブラックホールの蒸発)になります.標準的な分類では,これらはそれぞれ, 量子光学,場の理論(かな?),宇宙物理の研究,と言うことになってしまいますが,この理論家からみれば,同じ現象が様々な物理系で発現しているに 過ぎないわけで,単一の研究対象なのです.
実は清水も,このような,自分の興味の対象が標準的な分類にうまくあてはまらない,というタイプの理論家です.一応,標準的な分類の中から,Quntum Physics・物性基礎論・物性理論という大分類を選んでみましたが,これより細かい分類を選ぼうとすると,多岐にわたってしまいます.
そこで,標準的な分類を気にせずに,清水の(最近の)興味を書くと,多自由度量子系の原理的・基礎的問題に興味の中心があります。他自由度の量子系 の物性理論というと,最もポピュラーなのは,特定の物質群や特定のモデル群の,基底状態と低エネルギー励起を求めて物性を議論する,というものですが,清 水の興味はそういうことではなく,例えば,マクロに異なる状態の重ね合わせとはどのように定義されるべきか, そしてそれはどこまで安定に存在できるのか,それが,例えば最近話題になっている量子計算機にどのような限界をもたらすか,という問題です.あるいは,量 子系の測定限界は不確定性原理以外にどんな限界があるのか,そしてそれが非平衡統計力学や熱力学の基礎とどうかかわっているのか,という問題などです.
このような興味の持ち方で研究していると,論文として出てくるものは,普通の分類から見ると,いろんな分野に拡散(発散?)しており,表面的に眺め
ていると,僕が何を考えているのかさっぱりわからないと思いますが,本人は,結構首尾一貫している(つもり)なのです.
具体的な研究内容は、上記のリンクを参照してください。
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