複合系であっても成り立ち、どんな相転移があっても成り立つような、
正確で一般的な
熱力学を、1年生にも判るように書く、
ということを目標にしている本
です。
東京大学教養学部の理科I類1年生向けの講義ノートをもとにしています。
理科I類は、
物理を専門に学ぶような学科には進まない学生さん
が大多数ですが、
講義のアンケートを見る限りではわかりやすいと言ってくれています。
いきなり一般原理を提出するので、
最初のうちは???と思うようですが、読み進むうちにぐんぐんわかるようになるそうです。
簡単な紹介
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* 日本物理学会誌 Vol. 63 No.9 (2008) p.724に、高名な数理物理学者による書評が載っていますので、そちらもご覧ください。
[本書の特徴]
熱力学は、現代の物理学の骨格をなす理論のひとつだが、その基礎的な部分の論理構造が、量子論や統計力学に比べて難しい。本書は、この熱力学を再構成し
て、簡潔で美しく普遍的な理論として、初学者にもわかるように提示する新しいタイプの教科書。
〇歴史的な発展を追って理論を組み立てていく類書と異なり、美しく再構成した理論を提示。
〇
相加変数を基本的な変数にとることにより、温度を基本的な
変数にして議論をする類書とは異なり、相転移があっても破綻しない堅固な論理構成。
〇単純系だけでなく複合系にも適用できる一般的な原理を提示。
〇さまざまな熱力学関数を結びつけているルジャンドル変換を、1章を割いて詳しく解説。
〇既習者の多くが苦手とする一次相転移もきちんと解説。
筆者の知る限り、
あらゆる既存の教科書の中で、もっとも広い適用範囲と正確
さを併せ持っている本です。(それは相加変数を基本的な変数にとっているからとか、きちんと特異性のある関数に対するルジャンドル変換を
使っているから、なども大きな理由ですが、それ以外にも、たとえば
こん
なことがあります。)